宵闇の散華譚

 普通の高校生だった俺が、この所普通でない放課後を送る羽目になったのには理由がある。そう、いつだって理由はある。
 ある日の学校帰り、車に跳ねられたのだ。落として転がった小銭を拾おうと、左右の確認もせずに車道に出てしまったのだから悪いのは俺である。だがそこからが問題だった。
 目が覚めたら病院ではなく、謎の研究所だったのである。しかもオドロオドロしいオカルトちっくな装飾がふんだんに盛り込まれた感じの。
 呆然とする俺に説明をしてくれたのは見るからに人の良さそうな中年男性だった。髪が薄く、丸顔で、目が細い、零細企業で事務職でもやってそうな。
「いやあ、助かってよかった。お父さんの腕は流石ですな」
「はぁ?」
 話を聞けば、手術を行ったのは俺の親父らしい。確かに親父は某病院に勤める医者だ。が、親父の勤め先はこんな前衛的な病室のある病院ではなかった筈。
「何はともあれ、ダークネスオーガストへようこそ。これから一緒に頑張りましょう」
「へ?」
 ここからの話は衝撃の連続だった。何しろ、ここは悪の秘密結社の秘密研究所で、医者と看護婦だと思っていた両親が実は組織のマッドサイエンティストとその助手で、俺は死亡寸前の状態から謎の儀式と手術で怪人になる事で一命を取り留めたというのだ。その上、これから俺がダークネスオーガストなる悪の組織で怪人として働く事は決定済みらしい。既に雇用契約書も作成済みなのだとか。親の署名で。
「んなアホな……」
 嘆いた所で事態は変わらなかった。家に帰ると、先に帰宅していた両親は何故かニコニコ顔で俺の就職を祝う始末。これからは親子三人、力をあわせて悪事に邁進しようなどと言い出した。
 こうなると俺にはもう了承する以外に道は無い。決して「可愛い女の子にエッチな事し放題だぞ」とか耳元で母親に囁かれた事は関係ないのである。


宵闇の散華譚 一夜目


「で、正義の味方って……アレ?」
「イーッ! そうですニャルボーン様。あの二人組に先週、怪人エビ男さまが。うっ、うっ……」
「そ、そう」
 そんな訳で、日中は学校に通いつつ、夜になると悪事に勤しむという生活が始まった。資金稼ぎに銀行の現金輸送車を襲ったり、示威活動として幼稚園バスをジャックしたりするのである。善良な市民の皆様を蹴散らしつつだ。
 ただ、闇がある所には光もある物で、ついに俺の前にもいわゆる正義の使者が現れた。その名も、魔法少女アクアマリン。アクアと、マリンという二人組の女の子である。今までにも俺の同僚、つまり組織の怪人が幾人か倒されている。戦闘員の話では先週、怪人エビ男が倒されて全治半年の重症だとか。
「魔法少女、って……。小学生じゃん」
「イーッ! はぁ、見た感じ小学生ですねえ。でも、強いのは確かなんスよ」
「そ、そう」

 時刻は23時を少し回った辺り。場所は市立美術館前。俺こと怪人ニャルボーンは、十数名の戦闘員を引き連れて美術館の展示品を強奪に来た所だ。
「そこまでよ! 邪悪な怪人めっ」
「私達が来たからにはアナタの好きにはさせない」
 月明かりを浴びて、セオリーどおり高い所から登場したのは、小学生くらいの女の子二人組だった。それぞれ青とピンクを基調としたコスチュームに身を包んでいる。
「母なる海の代理人」
「水の星に正義は満ちる」
「魔法少女アクアマリン!」
「ここに参上っ!」
 そんな如何にもな口上と共に彼女達は美術館の屋上から飛び降りた。おいおいと驚く物の、言うだけの事はあるらしく、二人はスチャッと気持ちよく着地。手に持ったステッキを俺に突きつけている。
 うろたえる戦闘員の皆さん。厄介な敵なのは確からしい。
「アクア・レーザー!」
「マリン・スプラーッシュ!」
「イーッ! やられたー」
 と、俺がボーっと見ている間にも、戦闘員達は次々に跳ね飛ばされていた。
 なるほど。これが正義の味方と言うヤツか。七色に輝くエフェクトを撒き散らしながらジャンプして魔法を唱えたり、ブルース・リーばりのカンフーで戦闘員を蹴り飛ばしたりと、その小気味良いアクションは感心するほどだ。暫し見惚れた。決してヒラヒラ舞うスカートの中に見惚れたわけではないので。念のため。
「さあ! 残るのはお前だけよ!」
「観念して塵に帰りなさい!」
 ビシッとステッキを目の前に突き出されてハッと気付く。何たる事か、戦闘員さん達は皆して倒れているではないか。いやはや。失態失態。
「ほう、大した物だな。流石エビ男を破っただけはある」
「ふふん。その余裕、いつまで持つかしらね?」
 二人組の青い衣装の方、アクアが可愛らしくも自慢げに無い胸を反らせる。が、俺はうろたえない。両手を広げてこう唱えた。
「ベホマラー!」
「な、何ですってー」
 途端、地に伏した戦闘員達が力を取り戻して立ち上がる。
 解説せねばなるまい――。
 悪の秘密結社ダークネスオーガストの怪人、ニャルボーンは、なんとベホマラーが使えるのだ。
 俺ことニャルボーンの怪人化は本来、儀式で召喚したそれっぽい魔獣と融合する手はずだった。が、何をどう間違えたのか、初っ端の召喚儀式で魔獣ではなく手の平まで真っ黒な黒人牧師が出てきてしまったのである。通りすがりの邪神と名乗った彼は、だが何故か快く力を貸してくれたそうで、手術台に寝そべる俺に強力無比な力を授けてくれたらしい。
 怪人としての基本形は頭に宝冠、背中に翼のある身の丈3メートルの黒い巨人。やや細身で、顔も体毛も無く、全身がつるっとしている。それだけでも十分異形ではあるが、更にそこから変化が出来る。映画のエイリアンのように外骨格が浮かび上がり、無数の触手が生えるのだ。
 備わった能力も凄まじい。銃弾は元より、核ミサイルでも傷一つ負わない防御力。ワンパンチで練馬区の7割が消し飛ぶ攻撃力。空を飛べるのはむしろ当たり前で、瞬間移動は周囲の物や人を任意に巻き込める。目からは怪光線、口からは炎と冷気が出るし、手を振れば風が吹き、地震も起こせる。その他、体長体重は好きに変えられるは、触手からは麻酔、睡眠、催淫、脱力、などの効果を持った謎の液体は出せるは、適当に呪文を唱えればイオナズンが使えるは、秋なのに季語が梅だはと、それはもう大変な有様である。
 しかも怪人ニャルボーンに変身する前の状態でも、ある程度の能力が使えるし、任意に変化も出来るというのだから開いた口も塞がらないとはこの事か。両親が喜ぶ筈である。
 これが、俺――怪人ニャルボーン誕生の経緯だ。
 そんな訳でベホマラー程度の呪文は、むしろ使えて当然なのである。
「という訳で、覚悟してもらおうか。アクアマリンよ」
「そ、そんな……」
「どうしよう、アクアちゃん」
 形勢が一気に逆転した事を悟ったのか、身を寄せ合って脅える2人。ここからはずっと俺のターンだ。故に容赦はしない。
「ふはははは、食らえっ!」
 背中から生えた触手が肩越しに伸び、立ち竦む2人の女の子に絡みつく。取りあえず両手足を拘束して持ち上げた。武器のステッキも取り上げられた2人は涙目だ。キャーキャー叫んで暴れているアクア、えぐえぐとしゃくり上げているマリン、といった具合。
「で、捕まえた訳だけど。どうしよう、この子達」
「イーッ! そりゃもう、憎き敵な訳ですから。煮るなり焼くなりという感じで。ほら、私ら悪の秘密組織ですし」
「え? ま、まあ。そうだけどさ」
 傍らにいた戦闘員24号と意見交換をするのだが。どうにもぎこちないのは、如何せん相手の年恰好が微妙すぎるからだ。これが宇宙の刑事っぽいおっさんだったりしたら考えるまでも無く燃やして箱に詰めてから銀河中心核辺りまでまでブン投げるし、美貌の泥棒三姉妹とかなら拉致って洗脳の挙句に組織の保養所で色っぽい仕事を担当してもらうのだが。
「流石に小学生じゃあ……」
「イーッ! でも、ニャル様的にはどうスか? 小学生。ほら、ピンクの子とか胸も案外ありますよ」
「うん。ありだな」
 戦闘員24号に乗せられた感じで、思わず本音が漏れてしまう自分が愛しいと思う。俺は年上のお姉さん好きではある。が、実は、何を隠そう。小っちゃい子もOKなのだ。
「じゃ、じゃあ。そっちの方向で。ど、どこまでしていいのかな?」
「イーッ! 青天井でよろしいかと。私ら、悪の組織ですし」
「そっかあ。そうだよ、そうだよな!」
 24号とお互いにサムズアップを決め、改めてアクアマリンに向き直る。散々暴れて体力が無くなったアクアと、泣き疲れたマリンは二人とも既にグッタリだ。手間が省けてよし。もっとも抵抗した所で俺の拘束から逃げ出せよう筈も無いが。
「じゃ、そういう訳で」
「え、な、何……」
「ひっく、ひっく。もう、やめてよう」
 こうなると正義の味方もただの小学生である。追加で伸ばした無数の触手を前に、顔を引きつらせる以外に、何も出来はしない。
「ヒッ! やっ、嫌ああぁ……気持ち悪いよぅ。さ、触らないで……」
 先ずはピンクの衣装の方、マリンを責めようと決めた俺は、蠢く触手を彼女の手足に張り付かせた。そして少しずつそれらを服の中へ潜り込ませていく。じっくり、たっぷり女の子の素肌の感触を楽しみながらだ。
 言うまでも無いが、触手は俺の意思一つで硬くも柔らかくもなるし、あらゆる感覚を備えた器官にもなる。当然ながら様々な効果を持つ謎の液体や、俺本来の精液を出す事も可能だ。要するに何でもあり。
 現在は、マリンの肌に接する部分を手の平半分、舌半分として、その柔らかくも滑らかな肌を味わっているのだ。
 にしても――。
「むぅ。この手触り、この舌触り。いやあ、参ったなぁ」
「ヒャアあぁぁあッ! 嫌ッ、いやあ……気持ち悪いよぅ。助けてぇ……」
 ランドセルにリコーダー刺して歩いてそうな女の子である。全身を男の手と舌で嬲られれば、それもう、さぞ気持ち悪かろう。俺は大変に楽しいのだが。
 潜り込んだ無数の触手が蠢く様が、マリンの衣装越しに見て取れる。そのビジュアルの異様なまでのエロスに誘われ、見守る戦闘員は大盛り上がりだ。移動用に使っているバスに常備してあった業務用テレビカメラを臨時の撮影班が構えている辺り、非常にGJである。後でDVDに焼いてもらおう。
「さて、そろそろマリンちゃんにも盛り上がってもらおうかな」
「え……? な、何するの、嫌ぁぁ。――ングッ……ん、んんっ」
 伸ばした触手を一本、彼女の口元に這わせる。そして閉じられた唇を無理矢理こじ開け、中へと侵入。喉の奥まで伸びた触手は、そこで先端から謎の液体を吐き出した。
 みんな大好き催淫剤だ。俺の体内で精製されたそれは、強力な催淫作用を発揮し、自慰も知らない女子小学生を僅か数秒で快楽に溺れた女の体に変える。
「んッ、んあ、あーッ! あぁぁぁッ。凄っ……気持ち――良いッ。あ、あああんッ」
 吐きそうなほどの嫌悪感が一転して快感に。全身に絡みつく触手が、そんなマリンの体の変化を敏感に感じ取った。さっきまでガチガチに固まっていた筋肉が、今や跳ねるようにビクビクと震えている。吐き出す息もいきなり熱くなり、強張っていた顔はトロンと溶けるようにだらしなく歪んだ。
「おおう。正直、予想以上の乱れよう。どこかな、どこが特にいいのかな?」
「ひゃああああッ、あッ……んっ。うッ、いいッ! ぜ、全部気持ち良いよぅッ」
「おやおや、困った子だな。そんなに気持ち良いのか。こっちはどうかな?」
「う、ぁ。ああああッ、そこは、そこはぁっ! 凄いッ、やあぁ、何……これ」
 マリンの手足を拘束する触手を動かして、様々な体勢を取らせ、その小柄な全身を嬲りまくる。既に彼女の体は俺と彼女の唾液でベタベタだ。そこへ幼いながらに股間から分泌された愛液も加わって最早ドロドロと言える。触手の一本を細くしてパンツに潜り込ませれば、狂ったようにマリンは鳴き声を上げた。
「ようし、じゃあ。これ取っちまうか」
「あっ、あんッ! ぁ、服……んッ。やぁっ、体中が、ジンジンするぅ――んあぁっ」
 幾つかの触手で彼女の衣装をビリビリと破り捨てる。魔法で編まれたらしい魔法少女特有のコスチュームは、恐らくケブラー繊維よりも丈夫なようだが、俺の前ではティッシュも同然だ。自分の着ている物を剥ぎ取られたマリンは、一瞬気にしたようだが、それも快楽の波に流されたようで、喘ぎ声はむしろヒートアップ。
「さて。いよいよ本番ですよ。マリンさんや」
 もう声を掛けてもひたすら喘ぐだけだ。脳内麻薬が頭の中で過剰に溢れているのだろう。そろそろどうにかしてあげないと呼吸すら出来なくなりそうだ。
 俺は彼女の体をこちら向け、足を大きく開かせた。M字のまま、宙に吊っている状態だ。カメラ班がすかさずマリンの正面に回りこみ、彼女のトロトロになった幼い秘裂を舐めるように撮影している。流石時給1,600円貰っているだけあって見事な仕事だ。
 因みに、さっきから触れられていないアクアは、健気にも泣き叫びながらマリンを離せとわめいている。良い子だ。
「ふむ。頃合や良し」
 いよいよのっぴきならない状態になってきたマリンを前に、俺は一本の触手を股間から伸ばした。先端チンコ仕様の特別なヤツだ。ただ、特別とは言いながらも何本でも出せる辺り、邪神様様である。ビバ怪人。
 相手が小学生という事もあって、若干細めに調節し、僅かに口を開いた彼女の割れ目にあてがう。トロトロとペニスに伝う愛液が素晴らしく気持ちよい。
「ふふふふふ。さあ、たっぷり飲ませてやろう」
 マリンの細い腰をガッチリと触手で固定し、ペニスをズブと埋めていく。
「やぁっ、あぁっ。んあっ! ……ヒッ、ひぃあああっ!」
 途端、彼女は鋭い叫び声を上げた。初潮が来ているかどうかという女の子だ。如何せん挿入は厳しいのだろう。が、先ほど飲ませた催淫剤のせいで、苦痛は長く続かない。全身を愛撫する触手が、あっという間にマリンから快感を引きずり出し、破瓜の痛みも直ぐに快楽に変わったようだ。
「んんぁっ! 痛ッ? ん、違……う? んッ、んああっ――気持ち良いッ! あ、ああッ」
「ほう、ほう。まだ子供なのに、良い感じになってるなぁ」
 膣の中でグイグイとペニスを締め付けられ、俺の方もかなり良い感じだ。薬と触手愛撫で無理矢理分泌させられた愛液のお陰で、きついながらに抽送もスムーズ。ヌトヌトと淫らな音を立てて、ペニス触手が出入りを繰り返す。
「んあああッ! んああッ! ひぃ、ふわああっ……ダメ、だめぇ!」
 四肢を触手で押さえられているにも拘らず、マリンは激しく身を捩り、こちらが心配になるほどの嬌声を上げた。ビクビクと全身を小刻みに震わせている所を見ると、実はとっくに達していたらしい。膣の中も収縮を繰り返している。だがそれが止まらない。催淫剤の効果がてきめんに現れているらしく、イキッっぱなしになっているわけだ。
「あああッ! あぁうぁう……なぁああっ! んぁあん――っ」
「おいおい。大丈夫か?」
「んんぁあっ……ひあああ――っ! にああぁっ……ん、んああ」
 伸ばした触手を一本、先端を平手にして軽く頬を打って見るが、それすらも快感になってしまうらしい。正直やりすぎたか。このままイキっぱなしが続いたら、何かしら後遺症が残ってしまうかもしれない。
「んぐっ! にゃああうっ、んなあああうっ! みゃあぁふうぅぅ……」
 絶叫もおかしくなっている。顔を見れば瞳孔が開きっぱなしだ。下顎がガクガク震えて涎は零れ放題という有様。
 俺は暫し顎に手を当てて首を捻り――。
「ま、いいか」
 という結論に達した。己のペニスと相談した結果だ。相談相手に問題があり過ぎかもしれないが。
 と、そうこうしている内に俺の方でも射精の衝動が高まってきた。因みに俺は、夢の射精コントロールがデフォルトで可能だ。自分の好きな時に出したい分量だけ出せるし、逆に幾らでも溜めておける。加えて、精液は凄いスピードで精製可能で、これも体のサイズが許す限り、幾らでも溜め込んでおけるという正に男の夢を具現したスペシャル仕様。
 その内、10人くらいを相手に10リットルくらい一片に膣内射精してみようと思っている。
「むうう、そろそろいいか」
 腰にグッと力を込め、マリンに刺さったチンコ触手から溜まった精液を一気に放出。流石にリットル単位では出さないが、普通の成人男性ではありえない量の精液が、彼女の幼い膣をあっという間に満たした。
「ふぅ、我ながら良い仕事した」
 一方のマリンちゃんは、未だに快感が納まらないらしく、ビクビクと体を震わせたまま喘ぎ続けている。
 まぁ、愛撫用の触手を引っ込めて夜風に晒しておけば次第に治まるだろう。多分。

「ま、まゆみッ! ねえっ、まゆみ! しっかりして!」
 二人組の片割れ、スレンダーで気の強そうな方であるアクアは、相変わらず宙吊りになったまま相方のマリンに声を掛け続けている。というかマリンちゃんの本名が駄々漏れだ。いいのだろうか。
「ふっふっふ。アクアよ、マリンを助けたいか?」
「えっ? あ、当たり前よ! まゆ……マリンを返してっ」
 如何せん可哀そうになってきたので、ここいらで解放してもいいのだが、歓声を挙げて盛り上がっている戦闘員の手前もある。俺は興が乗った振りをしてマリンを引き寄せた。決して嗜虐心が刺激されたからではない。
 漸く絶頂の波が引いたばかりのマリンは虚ろな目でゼイゼイと息を切らしている。俺はそんな彼女を今度は自分の腕で抱き寄せ、アクアに見せ付けるように頭をなでた。
「コイツを返して欲しければ、……そうだな。自分でそれを入れて見せろ。そして射精させるのだ。お前が腰を振ってな」
「え、えええっ? そ、そんな……あたし、そんな事」
「出来ないか? ふふふ、それでも構わんぞ。我々はマリンを連れて帰るだけだ。お前も家に帰るが良い」
「そ、そんなっ! そ、それで、まゆ……マリンをどうするの!?」
「ふぁふぁふぁ。その場合、コイツは永遠に俺様のペットだ」
「くッ! だ、だめ……そんな事させない。分かったわよ、やれば良いんでしょ、やれば!」
「ふぁふぁふぁふぁふぁ、精々頑張るのだな」
 いやあ、実に心の強い子だ。小学生という歳を考えれば泣き喚いてパニックを起こしてもおかしくないのに。
 俺はアクアを地上に下ろすと、拘束を解き、チンコ触手を一本、彼女の前に突き出した。そしてマリンを抱いたままどっかりとその場に腰を下ろす。戦闘員達は各々、好きな位置に陣取り、かぶり付きでアクアの様子を眺めている。撮影班の邪魔だけはしないようにしているのが流石だ。
「さて、どうする? アクアよ。おっと、それの位置はお前の好きに変えて良いぞ」
「うっ、くっ。ぐすっ」
 涙目のアクアは、だが気丈にも自分でパンツを脱ぎ、俺のチンコ触手を握り締める。言うまでも無いが、普通のペニスでは無いので乱暴に扱われても平気だ。鉄板だって貫くぞ。
「嫌ッ、こ、怖い……こんなの、入んないよ」
 まあ、気丈とは言っても小さな女の子だ。怖かろうし、こんな事で処女を失うのは辛かろう。チンコ触手を握り、自分の股間にあてがったのはいいが、そこで彼女は泣き言を漏らした。立っているのが精一杯のようで、足もカタカタと震えている。
 そこへ俺は追い討ちを掛けた。
「そうそう、制限時間は10分な」
「え、えええッ! ……うぐっ、ひん。助けてよう、女神様」
 虚空から大きな砂時計を取り出し、ドンと置いてみせる。これに不正はない。丁度10分を計測できる砂時計だ。もっとも、俺は射精コントロールが可能なので、最初からアクアに勝ち目は無いのだが。
「むふふふ。さあ、時間はドンドン無くなっていくぞ」
「う、ううう。まゆみ、まゆみぃ……」
 時間制限を課した事でアクアもいよいよ切羽詰ったのか、チンコ触手を自分の割れ目にグイグイと押し付ける。が、若干細目にしてあるとは言え、濡れてもいない処女小学生の割れ目に簡単に入るような代物ではない。
「どうしたアクア。全く入っていないぞ」
「う、ううううう……こ、こんな物。無理よ――許してよっ」
「ふははははは。マリンには入ったではないか。まあ、無理なら無理でも構わんがな」
 脇腹から触手を一本伸ばし、先端を手の平に変えて腕に抱いたマリンの胸を揉む。アクアに見せ付ける為の行為だったが、歳の割りに膨らんだ可愛らしい乳房は、思いの外気持ちよかった。未だ硬くなったままの乳首とか、火照った肌とかも。思わず気持ちを込めて優しく揉みしだいてしまう程だ。
「う、ぐぅ。あたしだって……。出来るもん」
 相方の揉まれた胸を見たアクアは何故か目に力が戻った。どうも、マリンより成長が遅いのをちょっと気にしているらしい。女の子らしい対抗心というわけか。
 ちょっとだけ冷静になったアクアは、如何せんこのままではペニスを受け入れる事は不可能と悟ったようだ。何処で知ったのか、一応それなりの知識はあるらしく、自分の胸を揉み、股間の割れ目を擦っている。
 女子小学生のオナニーショーという思わぬ展開に、戦闘員達の目も爛々と輝きだした。撮影班の動きも活発になる。
「う、んっ。……えいっ。んっ、んっ。うっく」
 たどたどしいにも程がある少女の自慰。だが状況が状況だけに、一向に彼女の体は反応しない。増えるのは涙だけだ。と、思う間に砂時計の砂は半分が落ちていた。
「はい、五分経過ー」
 俺の声に合わせて、戦闘員24号が『ファイブ ミニッツ アゴー』と書かれたプラカードを掲げて見せる。
「ひっ! う、嘘……。そんな、えぐっ、んっ、んっ――んっ」
 さあッとアクアの顔から血の気が引いた。慌てて手の動きを早めるが、焦った上にプレッシャーがドンと乗っかっているのだ。これで性的興奮を覚える筈が無い。ポロポロと玉のような涙を零し、グネグネと無い胸と股間を捏ね回すが、アレでは痛いだけだろう。
「ぐふふふ。ダメそうだなぁ、アクアよ。……って」
「んっ、んふ……。ふぅ――んっ」
 アクアは歯を食いしばって必死に頑張っているのだが。打って変わって困った事になっているのがマリンだった。夜風に当たって意識を取り戻したのは良いとしても、俺の腕の中で抵抗するどころか、何故かうっとりと目を細め、気持ち良さそうにしている。時折、俺の胸板に頬を擦りつけてくるくらいだ。
 ついに股を濡らす事を諦め、チンコ触手を無理矢理自分の割れ目に突っ込もうとしているアクアは、ギュッと目を閉じていて相方の様子に気付いていない。
「お、おい。マリン、マリンちゃん? どうした?」
「んふっ。わたし……んっ、んぁぁ……」
 どうにも、やばい事になったらしい。マリンの耳元に口を寄せ、小声で尋ねてみるが、真っ当な返事が返ってこない。
「あちゃー。後で正気に返れば良いけど」
 察するに、極度の精神的衝撃で脳が現実の認識を拒否したようだ。だが人間性の完全崩壊を恐れた精神は一時的に目の前の現実を本人に負担のかからないような物へと再構築。結果、今現在、彼女は俺を自分を愛し、保護してくれる対象と認識している。という感じだろうか。いや知らんけど。まあ、身の丈3メートルののっぺら坊に触手でドロドロにされれば、あるいはそんな壊れ方もするのかもしれない。知らんけど。
「んっ……んっ。あの、にゃ……ニャルポン様」
「お、おう。あ、後でな。それとニャルボーンな」
「んっ、ニャル様ぁ……んっ」
 そんな訳で、捕らえたマリンが思いっきり甘えてくるという魅惑の事態。良いか悪いかで言えば思いっきり良い訳で。イカンと思いつつも愛着が沸いてしまう。拾った子猫が乱闘の末に懐いたような感じだ。やっぱり捨ててこないと不味いだろうか。飼いたいのう。
「イーッ! あの、ニャルボーン様。お楽しみの所スイマセン。時間みたいですよ」
「えっ? もう!?」
「イーッ! はぁ。砂、全部落ちてますし」
「ホントだ。おーい、アクア。終了ー、タイムアウトー」
 ボーっとしている間に残りの5分も過ぎたらしい。未だ必死にチンコ触手と格闘しているアクアに声を掛けた。
「えっ? もう!? 嘘……だって、あたしまだ」
「いや、俺も驚いた所。時間が経つのって早いよな」
 うんうんと頷くのは周りにいた戦闘員さんもだ。正に月日は百代の云々、荒淫矢の如し、である。
 ガックリとその場に崩れ落ちたアクアは、だがそれでも顔を上げた。
「あ、あたしが……あたしが身代わりになるからっ! マリンは、まゆみは助けてっ!」
 との事。なんという自己犠牲。この状況で身代わりを申し出るとは、流石に正義の魔法少女に選ばれるだけはある。手を合わせて伏し拝んでいる戦闘員もいるほどだ。
「うむ。その心意気や良し! じゃあ、この子は離そう。で、お前はこっちに来るのだ」
「う、うぐ。分かったわ……。まゆみ、ごめんね。この町をお願い」
 しゃくり上げながら俺の元へ歩いてくるアクア。で、彼女と引き換えに俺はマリンを地面に下ろして腕を離すのだが。
「んっ……やぁ、やぁだぁ。ニャル様ぁ」
 あろう事か、マリンが離れようとしない。
「ま、まゆみ? 何で、どうしたの、まゆみッ! ねえっ、正気に戻って!」
「いやはや、困ったのう。どうしよう?」
 どうもこうも、実の所こうなるのは予想済みで、俺は2人一片に可愛がるつもりだったのだが。
「う、う、うわあああん! まゆみが、まゆみがーっ!」
 親友がヤバイ事になったと知ったアクアは激しく慟哭する。自分を差し置いて相方の心配など、中々出来る事ではない。本当に良い子だ。
 だからこそ虐め甲斐もあるわけで。
「まぁまぁ、アクア。そう泣かんと。後で2人ともちゃんと帰してあげるから」
 そう言いつつ、俺は無数の触手を伸ばし、彼女を嬲り始める。
 マリンの肌が柔らかで滑らかなら、アクアの肢体はしなやかで張りがある。きっと普段から走り回っているのだろう。小麦色の日焼けも子供らしくて大変に可愛い。
「鬼ーッ! 悪魔ーッ! 助けて女神様――んっ、んぐ」
 で、まあ。子供だけに性感は未発達で、自慢の触手愛撫もやはり気持ち悪いだけのようだ。故に彼女の喉の奥にも触手を伸ばし、手っ取り早く催淫剤を飲ませる。
「あふっ、な、何? 体が、熱い……や、やあああああっ!」
 途端、恐らくは初めての感覚に身悶えするアクア。青ざめていた顔にはサッと朱が差し、目つきも艶っぽくなる。声のトーンも明らかに変わり、強烈な快感を叫びに変えているようだ。
「よしよし。どうよ、アクアちん。それが気持ち良いって事だ。癖になりそう?」
「誰が……んっ、あっ――なるか。んはぁ、やっ、ダメ」
 子供ながらに芯の強い彼女は、直ぐに陥落したマリンと違い、必死に快楽に対して抵抗している。が、それも長くは続かない。自分の中の女を強制的に引きずり出され、次第に彼女の目はドンヨリと曇ってきた。もう一押しだ。
「頑張るなあ。お兄さん、ちょっと感心した。でも、これはどうかな?」
 ビリビリとアクアの青い衣装を破り捨て、その素肌を撮影班のカメラに晒す。それだけでなく、細く枝分かれした触手の数本が、彼女の尻の穴に侵入した。
「や、やだぁッ……撮らないでぇ。ひ、ひっいいい、や、や、お、お尻に、何か入ってくるぅ! ヤダッ、ヤダぁ」
 グググっと近付くテレビカメラ。それに合わせてアクアの尻を撮影しやすいように持ち上げる俺。どいつもこいつもライトスタッフだぜ、とばかりにサムズアップする24号。
「あ、あんッ! お尻がっ、んっ……あんッ。――あ、ああッ」
 アナルへの異物挿入に最初は抵抗していたアクアだったが、直腸を優しく撫でる触手の絶妙な動きには耐え切れず、ついに甘い鳴き声を上げた。こうなれば後は一直線だ。全身への触手愛撫を再開し、さらに彼女の性感を引きずり出し、高めていく。
 でひひひひ、とアクアの乱れようをだらしなく眺めていた俺だが、脇腹を突付く者がいてハッと正気を取り戻す。
「いいなぁ、なみちゃん。気持ち良さそう」
 マリンだ。目が虚ろなままなので今一つ表情が分からないが、チラッチラッと俺の顔を伺いながら、相方の痴態を羨ましそうに見ている。
 そうかそうか。アクアの本名はなみちゃんと言うのか。――ではなく。
「おうおう、そんな顔するな。ちゃんとお前も可愛がるからな」
「あ……はい。ニャル様ぁ」
 この催促を断るのは男として間違っている。俺は例によって背中から無数の触手を追加で伸ばし、優しくマリンの体を包み込んだ。
「は、はぁ……。暖かくて、んッ……気持ち良い」
 すると、何とも陶然としたマリンの声が夜の空気に響いた。トロンと目を細め、本当に快楽に溺れきっているようだ。自分で言うのもなんだが、代わって欲しいくらいである。
 その内にアクアも完全にノッてきたようで、口元からタラタラと涎を零し、甘い嬌声が駄々漏れになってきた。
 苦労しているのがカメラさんで、乱れまくる2人の姿をどうにか一画面に収めようと必死だ。近付けばどちらかが外れるし、離れれば細部が写せないというジレンマ。
「イーッ! ニャル様、ニャルボーン様」
「OK、皆まで言うな。分かってる」
 そこに24号の目配せが飛んできた。その意味が分からない俺ではない。即座にサムズアップを返し、俺の声が届く方、即ちマリンに囁いた。
「マリンよ。お前、アクアの事は好きか?」
「ぁんっ……あ、はい。大好きです」
「そうか。じゃあ、君もアクアを可愛がってあげなさい」
 そう言って彼女を乱れる相方に近づける。そしてマリンの細い腰と足をしっかりと触手で支え、そっと上半身を解放。
「あ、はぁぁぁ……なみちゃん。可愛い、大好き――んっ」
 暫く逡巡したマリンだったが、俺の言わんとする所を察すると、ニコリと微笑んでアクアに抱きついた。少女2人の百合百合な絡みに、戦闘員一同もゴクッとツバを飲む。
「んあっ? んっ、ま……ゆみ? あんっ! だ、ダメぇ……んっ」
「なみちゃん、んっ――可愛い、なみちゃん……んっ。2人で、気持ち良く、なろう?」
「あふ……あふ、んっ! ダメ、だよう。んっ! そんな、所、舐めたら……んっ、んああぁぁ」
「なみちゃん……んちゅ、んっ。なみちゃんの、んふ……おっぱい、可愛い」
 絡みついた触手が蠢く中、2人の小学生は我を忘れて互いを撫であう。たどたどしく、稚拙ではあるが、親友同士という事もあってか、心の籠もった愛撫は非常に気持ち良さそうだ。2人とも、良い感じにトロンとした顔になり、見ている俺達の心まで温かくなる。
「イーッ! 良い光景ですねぇ」
「うん。思わずホッとするな。友達っていいね」
 傍らの戦闘員24号も見入っている。この映像を納めたDVDは組織内に無料配布しよう。こういうのを皆で分かち合ってこそ結社という物だ。
「あっ、あっ! んぁ……まゆみっ、まゆみっ!」
「うん。なみちゃん……んっ、私も……んっ、気持ち良いよ」
 と、そうこうしている内に、2人とも大分出来上がったようだ。だが悲しいかな。互いに股間の割れ目を擦りあっているのだが、その手つきがまどろっこし過ぎて絶頂に辿り着けないでいる。時折、どちらかの指がクリトリス付近を掠め、その度に触られた方がビクリと震えるのだが、そこを刺激し続ければどうかという所まで頭が回らないらしい。
 催淫剤プラス触手愛撫に親友同士の絡みが加わって、性感はえらい事高まり、愛液も2人の年齢を考えれば大変な事になっているのだが、それでも。
「んあっ! ねぇ、まゆみっ! あ、あたし、苦しいっ」
「なみちゃん……なみちゃん、あっ……気持ち良いのに、私も――苦し」
 可哀そうに、達しきらずに溜まりまくった欲求が幼い体の中で大暴れしているらしい。ついにお互い抱き合ってべそをかき始めた。
 こうなると俺の出番だ。ちゃんと子供達を最後まで導いてあげなくてはならない。
 俺はチンコ触手を2本、ソロリソロリと伸ばし、2人の股間にあてがった。だが悪人の務めとして、ここで更に焦らす。2人の毛も生えていない幼い割れ目に沿って、チロチロと舐めるようにペニスを動かし、愛液を掬い取った。
「んっ、はぁぁっ! やっ、やぁああ、あ、あたし、おかしく……なるっ」
「にゃあふっぁあ……ニャルさ――んっ、ま。ニャル様っ! んっ、ああ!」
 反応は実に如実で、アクアマリンは狂ったように暴れだす。きっと頭の中はドロドロだろう。2、3回そんな風に割れ目を撫でると、2人とも意味不明の言葉を上げて首を振った。
「よし、こんな物か。じゃあ、今、楽にしてやるからな」
 チンコ触手をトロトロになった秘裂に、今度こそズブズブと埋めていく。膣内はどちらも酷く熱くて狭い。だが二回目のマリンは既に中に精液を出されている事もあって、割とすんなりペニスが入っていく。厳しいのはアクアで、股座を引き裂くように無理矢理侵入する必要があった。
「ぎ、ぎっ……うーっ!」
 顔を見れば、いけない、痛みに正気が戻りかけている。俺は急いで体内に痺れ薬を精製し、アクアの首元に位置する触手へ送った。その触手を極細の針に変化させ、延髄付近に打ち込んで薬を注入。上手い事、痛覚だけを麻痺させた。この辺、詳しく突っ込まないで欲しい。俺にはそういう事が出来るのだ。
「うーっ……んっ? ふ、ふあああっ! あっ、あっ」
 効果は覿面で、アクアは再び快楽のみに支配されたようだ。体の力がスッと抜け、激しく喘ぎだす。
 マリンの方はというと、こちらは痛みすら快感になっているらしく、まだ二回目の挿入だと言うのに、歪んだ表情からは快楽しか伺えない。侮れない子だ。
「んーっ、あっ、あっ、ぁ、あ……あたし、もう。まゆみっ、まゆみっ!」
「んぁあっ……にああぁっ――ん。なみちゃん、に、ニャル様ぁああ」
 そして何度か2人の膣内でペニスを前後すると、アクアもマリンも、それだけで上り詰める気配がした。俺は少し物足りなかったが、彼女達は絶頂寸前を何度も繰り返した後だ。それも止むなしだろう。
 最後にスパートをかけるように激しいピストン運動を行うと、彼女達はガクガクと壊れた人形のように不自然な痙攣をして、絶頂に達した。同時に俺も精液を放出した。その際、ペニスの先端を細く伸ばし、子宮口の更に奥に侵入するという秘芸を披露。といっても誰にも見えないだろうが。要するに膣ではなく子宮へダイレクトに射精したわけだ。
 オーガズムに同調して収縮する膣壁も涙目の外道の技である。正に怪人ならではと言えよう。
「ふぅ、気持ち良かった」
 見た目にも2人の少女のお腹がポコッと膨れるくらいの量を射精したのだ。しかも子宮に直接。最早、人間ではない俺だが、この生物的満足感は筆舌に尽くしがたい物がある。
「あ……あふ、ふぁぁ」
「んっ、んぃ――っ」
 性交の余韻もそこそこに、俺は2人の中からチンコ触手を引き抜いた。それと同時に、彼女達の幼い胎内には納まりきらなかった精液が、2人の割れ目からコポコポと音を立てて溢れ出す。
 撮影班がその様子をバッチリとフィルムに収めた事を確認し、皆でGJとばかりにサムズアップ。
「で、どうしよう。この子達」
「イーッ! 連れて帰ってニャルボーン様のペットにでもします?」
「それも悪くないけど……折角、膣内に出したんだし、解放しようか」
「イーッ! 中出ししたからこそ、敢えて帰らせて、経過を見るというその考え、極悪で素敵です」
「でしょ? じゃ、そういう事で。でもこのままじゃ、ちょっと可哀そうか」
 アクアとマリンは全裸のままだ。目は開いているし、呼吸もあるが、如何せんグッタリしている。催淫剤の効果もまだ少し残っているらしく、時折、甘い息を吐いて軽い喘ぎを漏らしているようだ。
 少し考えたが、我々はこの子達の家を知らないので、送り届けようもない。仕方なく女性の戦闘員に私服で来て貰う事にした。通りすがりの親切な女性を装って、2人が正気に戻るまで介抱するという設定だ。
「よし、じゃあ撤収ー。忘れ物ないようにね」
「イーッ!」
 俺の号令に従って、戦闘員達が撤収準備を始める。全員一丸となって、撮影班が使用した機材をバスに運び込んだ。非常に良い仕事を終えた後だけに、士気は高い。チームがお互いを讃えあう姿は、これまた良い物だ。
 普段過ごす用の人間体形を取った俺は、アジトに帰参するバスに揺られながら満足気に何度も頷いた。
「イーッ! 所でニャルボーン様」
「うん? どうしたの」
「イーッ! 美術館の襲撃は?」
「あ……あーっ! 忘れてた。俺、ちょっと壊してくる。皆は先に帰ってて。あ、今日の記録映像、DVDに焼いといてー」
 戦闘員達の「イー」の声を尻目に、バスを飛び出した俺は、慌てて帰る道から取って返した。まぁ、展示室にベギラマの一発も食らわせとけばいいだろう。
 にしても、あの2人、無事に社会復帰できると良いが――。

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 と、こんな感じの夜を、最近の俺は過ごすようになった訳だ。
 怪人になって、早一月。同僚は気の良い悪人ばかりで仕事も順調。
 いやはや、人生なんて、どう転ぶか本当に分からない物だ。

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 余談だが、例のDVDは素晴らしい出来で、我が組織ダークネス・オーガスト内で大好評だった。首領を始めとした幹部連も絶賛。撮影班には特別ボーナスと信州旅行がプレゼントされたほどだ。



 ――了。

モ ドル