幾千の夜。  - Dragon Quest III -

 

 勇者とは特別な存在であるらしい。
 16歳の誕生日を迎えた朝、母は私に「勇敢な男の子として育てた」と言った。かつて、父オルテガの仲間であり、腕利きの僧侶だった母の教育は、確かに容赦が無いように当時は思った。女の子として生まれながら、花を摘むより剣を振る事を強制される日々。それも今考えれば、ぬるま湯のような平穏な少女時代だった。
 父の後を継ぐ者として国王にまで期待を掛けられ、旅に出た私は、すぐに自分の特異性を知る事になる。旅立ちの日を共にした仲間達との別れは、正にそれを痛感させた。
「ゴメン。とてもついて行けそうに無い」
 項垂れた顔を上げもせずに呟いたのは、私の家の近所に住む少年だ。残る2人も、やはり彼と同じように唇を噛んで下を向く。この3人は、いわゆる私の幼馴染だ。歳もほぼ一緒で、子供の頃は共に学び、遊んだ仲である。男の子が1人と、女の子が2人。私がバラモス打倒の旅に出ると知り、快く同行を申し込んでくれた。
 この仲のいい3人と一緒なら、私の旅もきっと楽しいだろう。そう思えたのはレーベの村に着くまでだった。ナジミの塔に向かう途中、手持ちの薬草も回復の呪文も底を尽き、魔物の集団に襲われてあっけなく全滅。
 それから先は悲惨だった。
 私だけが1人で強くなり、友人たちは死と蘇生を繰り返す。それでも塔を攻略し、盗賊の鍵を手に入れることは出来たが、そこが限界だった。旅の扉があるという、いざないの洞窟に挑戦し、だが3人の死をもってアリアハンに引き返した私は、彼らからの謝罪を受ける事になったのである。
 もう無理だ、と。
 彼らは私と幼馴染だったというだけの、近所に住む普通の少年少女である。そもそも勇者の旅に同行する事自体、間違っているのだ。冒険者としての素質もなく、簡単な職業訓練を受けただけの彼らは、魔物と戦う度に神経をすり減らし、死と蘇生を繰り返す度に目は虚ろになった。しかも私と違い、戦闘能力の上昇速度はひどく遅く、いつしか目に見えて足手まといとなっていた。
「うん。バラモスは、私が倒すから。ゆっくり休んで」
 肩を落とし、フラフラと去って行く3人の後姿は「お前こそ化物だ」と私に語りかけているようで、それがとても悲しかった。
 勇者とは、やはり特別な存在であるらしい。

「んっ、んぐ。……んぁ、あッ! んあああっ」
「ははは、大分馴染んできたな。流石に勇者だけあって覚えが早いぜ」
「そうそう。それにこの締まり具合ときたら。もう商売女なんて抱けないね」
「しかも若くて、これだけの器量だ。戦いの疲れも癒されるものよ」
 全裸にされ、大きく足を開かされた私の性器に、床に寝転がった男のペニスが遠慮なく挿入される。横からは胸を乱暴に揉みしだかれ、前に立つ男は私の口を執拗に犯している。私自身は横に立つ男の物を握り、体液に濡れたそれを上下にしごいた。同時に、口にペニスが入れられれば、それを舐める。秘所に挿入された物は、下腹に力を入れる要領で締め上げる。
 全部、彼らに教えられた事だ。
「んぐ、んむ。あむ……ちゅ。んっ、あああぁ……」
 下から貫く男が私の腰を揺すり、吐き気すらするほどの快感が背筋を通り抜ける。横の男は、私の痙攣に合わせてリズミカルに乳房を刺激し、前の男は喉の奥にまでペニスを突っ込んで来た。
 既に3人とも、1度か2度は射精しており、私の体はドロリとした白濁液に塗れていた。私自身、もう何度も絶頂を迎え、意識は半ば飛んでいる。それでも、彼らはむしろ心から楽しそうに私を犯し、歓声を上げた。
「おらっ、まだまだいくぜ!」
「おっと。気絶したらダメですよ、勇者様」
「これからが楽しいのだからの。夜は長いぞい」

 辛く厳しい冒険の旅。父オルテガすら、母や話に聞いたサマンオサの戦士サイモンなどの屈強な仲間と共に歩んだのだ。幾ら勇者であっても、私1人だけに担える物ではない。仲間が、戦いの旅に慣れた強力な仲間が必要だ。
 そこで訪れたルイーダの酒場で、私は望み通りの冒険者達を女将から紹介された。筋骨隆々たる戦士。武器戦闘も回復もこなす神官。強力な呪文を操る魔法使い。
 理想の布陣と言って良かった。旅慣れていて、強さは申し分なく、伸びしろもあるとルイーダはいう。
 私は彼らに頭を下げて同行を願い出た。そして彼らは一つの条件を出し、私は考えた末にそれを承諾。新たな勇者のパーティが誕生した。
 カウンターの奥で話を聞いていたルイーダは深い溜息を吐いていたが、結局何も口を挟まなかった。
 その彼らが出した条件は――旅の間、こちらの方針に異論を挟まず、私に従う事。その見返りに、彼らは私の体を自由に犯すという事だった。
 4人だけで魔王を倒すという、夢物語みたいな話である。死ねという方がまだ易しかろう。友人たちの後姿を脳裏に浮かべた私は、その条件でもこちらに分があるという結論に達したのだ。
 勇者なのだから、真っ当な友達との楽しい冒険など、その方が夢物語なのである。

 3人がそれぞれに射精し、私の顔、胸、そして膣内に大量の精液がぶちまけられる。
 やっと眠れると放心した私は、だが神官にベホイミとザメハを食らって強制的に回復させられた。
「もうちょっと頑張ってくれよ。まだ出し足りないんだ」
「今度は僕が下になりますよ。勇者様」
「ワシは後ろを頂こうかの。最近、こっちの具合も良くなって来たしのぅ」
「は……はい。どう――ぞ、んああああッ!」
 男達が位置を替え、体勢を変えて再び私に群がる。私に拒む事は許されていない。ここ数ヶ月の間で、どれほどの精液を飲まされ、或いは膣内やお尻に出されたか。もう自分でも分からない。それでも。彼らが求めれば私は応じる。それが約束だ。
 ヌルリとした硬い肉棒が後ろの穴を無理やり押し広げ、同時に別のペニスが前を貫く。思わず絶叫する私を嬉しそうに眺めたもう1人は、私の口が大きく開いた隙に、やはり自分の性器を捻じ込んできた。
「――ッ!? んっ、んむ。んぐ……んく」
「お、そうそう。上手い上手い」
「やれやれ。下の口はドロドロで開きっぱなしですよ。はしたない勇者様だ」
「ほっほっほ。じゃが尻の穴は素晴らしい締め付けだの」
 私の体の中に3本の男性器が潜り込み、それぞれ好き勝手に抽送が繰り返される。体液に塗れていない場所がない体の表面も、至る所を6本の手が嬲り尽くす。
 私は、薄れゆく意識の中、いつしか全身で彼らの欲望を受け止めていた。
 そして体の芯から湧き上がるような快楽に魂を震わせ、高らかに悦びの声を上げてた。

 旅そのものは順調と言っていいだろう。
 ロマリアの王冠を取り戻し、ノアニールの呪いを解いた。ピラミッドで魔法の鍵を手に入れ、黒胡椒と引き換えに船を頂いた。今は世界中を巡り、6つのオーブを探している所だ。
 勿論、苦難の連続ではあり、幾度かは全滅の憂き目も見た。だが、彼らは決して挫けず、私の――勇者の旅に欠かせない仲間として在り続けている。
 宿屋は勿論のこと、街道で、草むらで、或いは船の甲板で輪姦される私を、アリアハンの友人たちは哀れむだろうか。それでも勇者としての義務を果たそうとする私を。
 それでも、私は何かに導かれるように前へ進み、魔王を目指す。
 それが、勇者という特別な存在の証なのだろう。


 ここから先は余談である。
 バラモス打倒の旅の最中、私は何度かアリアハンの自宅に帰宅する機会を持った。
 魔王を倒すまで家には帰れないと旅立ちの前には思った物だが、ルーラやキメラの翼を使えば距離は無いも同然だ。何より、魔物との戦いに疲れた心には、やはり母の手料理がどんな回復の魔法よりも暖かく私を癒す。
「んっ、あ! ぁああっ! んぐ……い、いやぁあ」
「まぁまぁ、奥さん。これだけ濡らしておいて嫌もないだろ?」
「ホぅ、流石にオルテガの奥方だの。歳はとっても体は若いわぇ」
 ただ、帰宅の理由として最も多いのは仲間のリクエストだった。彼らは、私だけでなく、母の体も要求してきたのである。

 ある時、一時的に路銀が尽きて宿代に困り、私はやむなく仲間を実家に招いた。
 彼らは私を犯せるなら何処でも良いとの事だったが、私自身が母の手料理に焦がれていたのである。残りのマジックパワーもルーラ1回がギリギリだった事もあり、私は考え無しに仲間を連れて実家の扉を叩いた。
 母は温かく迎えてくれ、男達にもシチューを振る舞い、私は久しぶりの我が家にホッと安心していた。仲間の母を見る目が、私を犯す前のソレと同じになっている事も気付かず。
 夕食後、暫くは冒険譚に花を咲かせていたが、早寝の祖父が自室に引っ込むと、彼らは都合が良いとばかりに目配せをした。そして、面と向かって堂々と母にこう言った。
「あんたを抱きたい」と。
 娘の前で何をと憤る母に、彼らは私の体を撫で回す事で応えた。そして例の約束について事細かに説明。私が、もうどれだけ犯され、それでも自分の意思で状況を保ち続けているかを。
 今の時代、まともに魔物と戦えるだけの強さをもった冒険者は数少ない。一昔前は腕の立つ戦士も多かったらしいが、その多くは既に命を落としている。母のように生き残った者も、今では歳を取って現役を退いているのだ。
 まして勇者と肩を並べて危険な旅に同行できるのは、恐らく世界中を探しても彼らを置いて他にはいまい。
 母は――かつて勇者オルテガの仲間であり、妻となって娘を産み、そして今の勇者を育てた私の母は、そんな状況を理解出来てしまった。故に彼らこそが世界を救うのに必要不可欠な存在であるという事も。
「分かり……ました。どうぞ、ご自由に」
 そして結局、私と同じ結論を下し、自らの肉体を彼らに差し出したのである。
 以後、彼らは時折アリアハンに戻る事を私に求めてきた。

「旦那が旅に出て15年か。その間、随分と体を持て余してたんだろ」
「おうおう。熟れた女の肌が、ワシの手に吸い付きよるわ」
「こっちの勇者様も、今日は一段と良く濡れてますよ」
 裸にされた母と私は、居間の中央で向かい合わせにされた。そして私には神官が後ろから、母には戦士と魔法使いが前後から、それぞれペニスを挿入される。その前段階として、どちらも3人によって体中を撫で回され、舐め上げられた。
「ん、んぐっ! あ、あああっ……」
「あっ、ん。お母さん……凄い、顔で――んっ、あ」
 1人に抱かれ、比較的ゆったりと抽送された私は、快楽の波に漂いながら眼前の母を眺めていた。まだ犯される事に慣れない様子の母は、涙を流して2人の男に揺さぶられている。だが膣と尻を前後から貫かれ、激しく突き上げられている内に快感に飲まれたのか、やがて少女のように甘い悲鳴を上げた。
「さあ、たっぷり中に出してやる。全部受け止めてくださいよ、奥さん」
「くくく、ワシの方もだ。尻の中を一杯にして進ぜますぞ」
「私も出しますよ。いつものようにね、勇者様」
 気が狂うような性感の渦が体の奥から湧き上がる中、私の体に神官の精液が流し込まれた。ほぼ同時に、母を抱き上げた2人も射精している。
 男達はそれぞれに愉悦の雄叫びを上げ、私と母もまた、女としての絶叫を甘く轟かせた。
「ふぅ。気持ち良かったぜ、流石にオルテガの奥さんだけある」
「全くだの。勇者殿の若い体も良いが、たまに食らう奥方の体も絶品よ」
「さて、交代しますか。次はお母上の口でしたいなあ」
 絶頂を迎え、ビクビクと痙攣したままの私が床に寝転がる。同じく自由の利かない母は、戦士と神官によって四つん這いにさせられた。
「おっと、奥さんはもうちょっとこっちに来ようか」
「はい、そして僕のを咥えてね」
「勇者殿は股を開こうかの。ワシが挿れるから」
 気が付いた時は、私の目の前に母の股間が位置していた。私の胸を跨いで膝を突いているようだ。もう1人、戦士が私を跨いで後ろから母の腰を支えている。
「んんッ! んぐぅ……あむ。ん、んんんっ」
「ホラ、暴れたらダメですよ。ちゃんと舐めて下さい」
「おおう、良い尻だ。肉付きが良くて、揉み応えもある」
「勇者殿の膣もすっかり女になったのぅ。いい気持ちじゃ」
 神官は母の前に膝立ちになり、ペニスを咥えさせているようだ。そして魔法使いは私の中に挿入している。
 やがて母のお尻の穴に自分の物を埋めた戦士が、ゆらゆらと抽送を開始。同じく魔法使いが腰を動かし始めると、居間には再び私と母の悶え声が響いた。
「うわぁ、お母上の舌はやっぱりいいなぁ。優しい感じがする」
 神官はうっとりと感想を口にし、戦士は言葉もなく腰を振って母のお尻を貪っている。そんな状況下で、私は自分の顔にポタリポタリと精液の雫が零れ落ちてくるのを感じた。先ほど母の中に出された物だ。
「あ……んっ」
「ホホ。勇者殿よ、御自分の産まれた穴じゃ。綺麗にして差し上げると良いぞぇ」
 自分はここから産まれたのか。魔法使いの言葉に、変に目が冴えた私は、マジマジと目の前の光景を眺めた。熟れた果実が、自然に割れて白い汁を垂らしているようだ。私より赤味が強く、厚みがあり、そして恥毛が多い。幾らかグロテスクではあるが、肉を裂かれて死んだ魔物に比べれば、遥かに神聖だ。そして、性の快楽に浮かされているからかもしれないが、不思議と懐かしい。
「お母さん……ん、んく。あむ」
 私は、パクパクと口を開いて精液を垂らす母の股間に唇をつけた。そして舌を伸ばし、チロチロとそこを舐める。
「んんッ!? んんーッ!」
「おおっと。噛んだらダメですって。優しくしてくださいね」
「いい絵柄じゃの。麗しい親子愛じゃて」
 大人しく神官のペニスを口に含んでいた母が、急に喉の奥で悲鳴を上げて身を竦ませる。大事な場所を、他ならぬ娘の私が舐めているのだ。泣きたくもなるだろう。しかし、それでも私は、むしろ縋り付くように母の陰部に口を付け、その中を舌で掻き混ぜた。溢れる蜜を啜り、零れ落ちる精液と共に飲み込む。例えるなら赤ん坊が母親からミルクを貰うように。それほど夢中になっていたかもしれない。
「んん……んあぁ。んああッ! あ、うぅ――んッ!」
「わ、私も……もう――だめぇえッ」
 男女5人の肉が体液に塗れてぶつかり合い、その淫らな音がガンガンと頭の中で響き、やがてマグマのような快感が全身に行き渡る。気が遠くなり、また引き戻されて、私はまるでメダパニとマヌーサを何度も重ね掛けされたような感覚に襲われた。きっと母も同じような状況なのだろう。私たちは親子揃って再度の絶頂を迎え、獣のように鳴き喚き、ガクガクと全身を震わせた。
「ふぅ。いやぁ、出した出した」
「蕩けそうなほど気持ちよかったですよ、お母上」
「おお、御二方して気持ち良さそうに果てておるの」
 男たちも精液を吐き出したようで、それぞれのペニスをズルリと引き抜き、満足そうに椅子に腰掛けていた。
 私と母は、死んだ大アリクイのように舌を放り出し、グッタリと床に横たわる。特に、慣れていない母は完全に気を失ってしまい、白目を剥いていた。
「さて。そろそろ夜も更けてきたし」
「そうですね。居間を片付けてから……」
 片付けは朝でもいい。だからこのまま眠らせて欲しい。心からそう思う私は、だが次の魔法使いのセリフに思わず瞑目した。
「場所を移動じゃな。次はベッドで楽しもうかの」
 夜は長く、私と母はまだ解放されないらしい。

 私の仲間は、悪人ではないし、鬼畜や外道の類でもない。
 基本的に気さくで義侠心もあり、約束事を破らない。行きずりの旅人を襲ったりはしないし、村娘を強姦したりもしない。呪いを掛けられて決して覚めない眠りにつかされたノアニールでも、女性に悪戯をしたりはしなかった。
 探索の途中であれば私をリーダーとして支え、時に意見してくる事もあるが、こちらの指示を違える事はない。強力な魔物とも怯む事無く向かい合い、そして戦う。
 こうして私と母を好き放題に犯すのは、それが彼等と交わした正当な約束だからだ。世界のために私達が犠牲になる謂れは――本当の所、ない。
 だが、それでも。
 勇者を産み、勇者として生まれた私達親子は、如何なる手段をもってしてでも魔王を倒さなくてはならないという責任がある。運命と言ってもいい。
 人類にとって正に死活問題でありながら、自分たちの戦力を貸すのに代償を要求する彼等は、傍目から見れば酷い連中なのかもしれない。
 だが、この3人には最初から世界を救う義務など無いのだ。例え、その所為で人類が滅びたにせよ、彼らに責任は無い。王位を人に譲りたがるどこかの国王の方が、余程無責任だ。
 だから、私と母は黙って彼らを受け入れなければならない。
 それが勇者として、その母として課せられた義務なのだから。

 手際よく床を掃除し、男3人は宣言通りに私達母娘を抱き上げて2階の寝室に向かう。
 そこで神官から回復の呪文を貰い、また淫欲の宴が幕を開く。
 彼らは代わる代わる私と母を犯し、口といわず膣といわず精液を吐き出した。顔にも、胸にも、そしてお尻の中にも、白くドロリとした液体が溢れる。
 飲まされ、掛けられ、注ぎ込まれた私と母は、気絶する度に呪文で回復させられた。理性が完全に飛んだのはいつの事だったか、いつしか私も母も自分から腰を振っていたような気がする。
 夜通し犯され続けた私達が解放されたのは、朝日が昇ってからの事だった。
 気がつけば私はキチンと寝巻きを着て、母と一緒にベッドに寝かされていた。
 私はそっと母の手を握り、今度こそ、本当に安らかな眠りをと願う。
 今日は一日ゆっくり休ませて貰おう。
 勇者の冒険は、まだ続くのだ――。



 ――了。

モ ドル